「三つ子の魂百まで?」

三つ子の魂百までと言うことわざがあります。

幼い頃の性格は年をとっても変わらないと言う意味だそうです。
しかし発達心理学では意味合いが変わってきます。
それは発育初期の経験が決定的な影響を及ぼすと言う臨界期の考え方から来ています。
臨界期とは発育初期にみられる急激に能力を獲得する期間のことでそれを過ぎるとそれらの能力獲得が困難なると言われています。
その大切な時期に外界との遮断や情報にの遮断が行われると確かに感覚の低下と発達障害が起こるのです。
これはアヴァロンの野生児、隔絶された子、狼に育てられた子、FとGの事例など悲しい社会的隔離事例から発達初期の過酷な環境によってある程度心身発達が阻害されたことがわかりました。
これは遺伝と環境の相互作用によって発達が進むこと示しています。
しかし同時に人間の発達の可塑性の高さも知ることが出来ました。
50年以上前の話ですが日本でF(姉)6歳、G(弟)5歳のが保護されました。
保護された時は2人とも身長80cm、体重はそれぞれ姉8.5Kg弟8Kgで立って歩けなかったそうです。
普段は物置小屋に隔離され酷い時は一日一食、重湯程度のものしか与えられずおもちゃのような刺激もなく家族以外の接触もほとんどない状態でした。

 

しかし救出後彼らは驚くべき成長を遂げて行きます。
救出当時は身体的にも心理的にも1歳程度の発育状態だったのが3年程度で実年齢の身体能力を獲得します。
言語能力も話し言葉、コミュニケーション範囲で支障はでないほどになりました。
この成長はそれぞれ担当保育士遂げとの愛着が形成されたときに言語や情動面の急激な発達がみられたことから環境より愛情が子供を育てる面でとても大切な事が分かります。
その証拠に救出前に誰にも愛着を感じていない子供は保育士などとの愛着形成できず成長がわずかだったり幼くして死亡しています。
愛着は決して生みの親でなくてもいい。
愛着を持てる人が世の中に1人でもいれば人間は生きて行けるのです。
先程のFとGの事例では姉弟間に愛着があった事がその後の人生を分けたと言えるでしょう。
エミー・ワーナーはハワイのカウアイ島で698人の子供を30年にわたり追跡調査をしています。
その結果は

いくつもの発達上マイナスな危険要因を持っていたとしても全ての子供が心理的な問題を抱える訳ではないと言うことでした。
経済的に貧しいことはもちろん育児能力が乏しい養育者であったり環境的に不利な条件が重なったりしてもです。
不利な条件が一貫して長期にわたったときだけ問題が起こるのです。
親身に世話をしてくれる人が最低1人いれば心の支えとなって多くの困難を跳ね除ける力を持てるのだそうです。
愛情を持って育てれば子供はどんな劣悪な環境でも成長することが可能であると言うことです。

横浜 青葉台 さくら歯科クリニックあおば 院長 櫻井直樹
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