「異種金属で歯が焦げる?」

こんばんは。桜井です。
今日は朝から臨床のセミナーで目からウロコが落ちる話がいくつもありとても有意義でした。
そのうちの目からウロコが落ちた話をしますね。
歯科臨床において銀歯を外さなければならない治療があります。
銀歯を外すと中の歯が黒くなっていることがあります。
これ、銀歯のイオンが溶けて歯根に染み込んで黒くなっていると思ってました。
金属が焦げているのではないかと言う疑念があるのです。
原因はガルバニック電流と言い
教科書に出ているくらい歯科医であれば知らない者はいないと言う常識です。
これは異種の金属同士が、唾液を介して接触しあった時に流れるという微弱な電流を言います。
たとえば、アルミ箔を噛むとキーンとすることがあると思いますがこれもガルバニー電流の一つです。
ガルバニック電流ですが、こちらは特に、電位差などが多い、非金属、そして貴金属が同じ口腔内に存在する場合に起こりやすくなります。
かなりの確率で起こるのは銀の詰め物と銀歯です。
噛むたびに電流が流れるので痛みが出て気づくのです。
つまり、噛むことで金属が接触して電流が発生するのですから
詰め物をレジンやセラミックに変えることで解決して来ました。
また今は金属の詰め物も銀歯と同じ素材にするようになったので問題はなくなったかのように見えていたのです。
しかし実は今回の話はもっと目に見ない話しです。
先ほどのように電流が発生し痛みが出るのは神経がある歯です。
問題になるのは銀歯の下に銀の土台が入った歯です。
銀歯と銀で出来た土台は金属の素性が違いますからこれでも充分電流が発生する可能性はあります。
銀歯を入れるときはセメントが土台との間に介在しますから最初は問題ないでしょう。
ただ年数が経ってくると銀歯は精度が低く、硬いためかみ合わせの影響を受けてセメントが溶けることがあるのです。
するとその空間に唾液が入り込み電気が発生すると言うわけです。
しかも、この場合ずっと発生し続けるため歯が焦げると言うわけです。
土台が入ると言うことはすでに取られて神経がありませんから痛みを感じません。
口の中に微細でも電流が出続けると言う問題はどうなのでしょうか?
人間は電気で動いています。
(神経伝達は電位と言って脳に送られる指令を小さな電気信号で行なっています)
脳に近いところに弱くても電流が常に流れていたら
神経の伝達の妨害になることは充分考えられます。
実はこの話を知るまで被せはプラチナゴールドが1番良いと思ってました。
かみ合わせが作りやすく大きな狂いが出にくいからです。
しかし、今後はメタルフリーは避けられないようですね。

横浜 青葉台 さくら歯科クリニックあおば 院長 櫻井直樹
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